株式会社タカギ様

家庭用園芸用品、家庭用浄水器、省エネ商品の開発、製造、販売・プラスチック射出成形加工・金型事業を行う。蛇口一体型の浄水器は、販売開始より25年を迎える。また、散水用品、ウルトラファインバブルのシャワーヘッドなども好評だ。事業規模は、国内21拠点・海外1拠点で従業員は約1400名。

導入の背景
継続的な事業の成長に伴い、お客様からの申込書、販売代理店からの注文書なども増え、日に何千枚ということもあった。これらのデータ化は外部に委託していたため、申し込みが増えるに伴い、コストが大きくなってきたのが課題となっていた。
導入の効果
SmartReadによるデータ化の後工程において、データ変換ツールやRPAと組み合わせて利用することで、業務全体で合算すると、3,894時間/年の効果を見込む。

IT推進部 業務改革チーム様では、顧客情報センターや受注センターなどのユーザー部門と一体となり、業務改善活動の推進または提案、業務効率化に関する検討などがメインの業務となっている。今回、課題となっていたデータ化の委託コストの削減を、SmartReadの導入とRPAやほかのツールとの組み合わせにより大幅なコスト削減を実現されたというお話をお伺いしました。

導入に至った背景

増えていく浄水カートリッジ定期購入のお申込み書のデータ化コストが課題に

弊社は蛇口一体型浄水器を取り扱っております。お客様から浄水カートリッジ定期購入のお申込み書をお送りいただき、ご利用している蛇口に合う型の浄水カートリッジを送付しなければなりません。

そのため、一般的なお客様の情報のほかにも蛇口の品番やご希望の浄水カートリッジのタイプ、どのくらいのサイクルで交換をご希望されているかなどの情報をデータ化する必要があります。

元々はお客様から送られてきたはがきや申込書を登録する際、データ化のため外部委託先に依頼していました。増えていくコストが課題となっており、コスト削減のためAI OCRの導入を検討しました。

導入実績、手書き情報の読込精度の高さ、個人情報の取り扱い等々の観点で、AI OCRツールをインターネットで探しており、その中の一つとしてSmartRead(当時Tegaki)※を知りました。

※コージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。

導入の決め手

セキュリティや個人情報の取り扱いについても安心


最終的にはSmartReadと他社製品の2つで検討していました。

セキュリティの観点や契約手続き、また個人情報をクラウド上で保持しない形で運用可能な点、手書き情報の読込精度、これらを比較したときにSmartReadの方がまさっておりました。

また、費用体系が弊社に合っていたなども導入の決め手になりました。

IT推進部 業務改革チーム 山田氏・鳥居氏

導入の課題

使用する文字の種類やフィールド設定の工夫をして読み取り率を向上させました

お客様からのお申し込みなどを受け付ける顧客情報センターでは、お申込ハガキのパターンが多く、うまく振り分けられないことや誤読などがありました。

誤読が多くあった文字については、読み取りパターンを洗い出し、フィールドの文字数ごとで文字の種類を設定するなど、設定を工夫して回避しました。

また、ハウスメーカなどの代理店様からの注文を取りまとめている注文センターでは、注文書は複数のパターンがあり、記載位置が安定しないものがありました。

フィールド設定を単数行読み取りから複数行読み取りに変更することで読み込み率を向上することができました。

導入の効果

データ変換ツールやRPAと組み合わせて利用することで、3,894時間/年の効果を見込む


SmartReadによるデータ化の後工程として、データ変換ツールやRPAと組み合わせて利用することが多いため、単体としての効果ではありませんが、業務全体で合算すると、3,894時間/年の削減効果を見込んでいます。

特に、一番利用している部門からは「SmartReadが利用できなくなると困る。」との声も上がっております。

また、会社全体としてもデジタル化、生産性向上といった方針を掲げていますので、積極的に次の活用も考えています。

IT推進部 業務改革チーム チームリーダー 谷所氏

今後の活用展望について

お客様の個人情報や注文の情報を扱っている関係もあり、業務上求められる細かさや精度が高いので、人による最終チェックが必要となっています。

この最終チェックが不要なぐらいディテールに拘ってさらに精度を上げていって欲しいと思っています。

本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

紀陽情報システム株式会社様

紀陽銀行を中核とした紀陽フィナンシャルグループの一員として、金融機関向けシステムや自治体向け総合行政システムの開発業務を手掛ける。加えて、お客様のシステム運営やアウトソーシングサービスなどの各種ソリューション・サービスを提供している。

導入の背景
・紀陽銀行とともに業務の DX 化を推進していく中で、お客様から
郵送や Fax で届く書類に関する業務効率化が課題
導入の効果
・AI OCRを活用して、独自システム「A2D(Analog to Ditgital)」 を開発。
・ローンの事前調査業務の負担を削減。
・今後はその他の業務にも展開予定。

紀陽ファイナンシャルグループの一員として、金融システムはもちろん、自治体の行政システムから一般企業向けのITソリューションを提供している紀陽情報システム株式会社。紀陽銀行のDX推進事業を行う中で、独自に開発したAI-OCRシステム「A2D」にてAI OCRサービス「Tegaki」(※)をご活用いただきました。
今回は、ソリューション推進部に所属する須藤様と河本様にお話を伺います。

※コージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。
Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。

紀陽情報システムについて

貴社の事業内容について教えていただけますか?

須藤氏:弊社は、金融機関向けの各種システムの開発や、自治体向けの行政システム、保健所向けの生活衛生情報管理システム、決済サービスの運用やサポートを行っています。最近では、これまでの紀陽銀行向けの経験を活かして、他の金融機関に対してパッケージのカスタマイズ・導入支援・効率化を目指しています。また、一般企業様向けのサービスを開発し、SaaSとして提供しています。

河本氏:それらに加えて、地方銀行の子会社として、地域の活性化のために和歌山や大阪の企業のIT施策のサポートを行っています。

「A2D (Analog to Digital)」開発の経緯

貴社が、「Tegaki」を活用した、手書き申込書AI-OCRシステム「A2D (Analog to Digital)」の開発に至った経緯について教えていただけますか?

須藤氏:紀陽銀行とのキャッシュレス推進事業の一環で、お客様から届く手書きの申込書の問題に取り組めないかというお話をいただきました。弊社としても大きなチャレンジでしたが、プロトタイプでの評価をしたところ、想定以上の成果が出たので、紀陽銀行様から汎用的なサービスに展開できないかというご要望をいただき「A2D」を開発する運びになりました。

河本氏:これまでは紀陽銀行へのサービス提供やその一部をパッケージ化して外販するスキームはありました。外部ソフトウェアということでは、夜間処理やファイル連携でHULFTを使ったりしていますが、APIを利用して外部サービスと即時に連携するということは「Tegaki」が初めてです。紀陽銀行からも注目をいただいています。

紀陽銀行様へのサービス提供に至った背景や、紀陽銀行様がサービス導入前に抱えていた課題について教えてください

須藤氏:紀陽銀行とともにDX推進をしていく中で、個人のお客様に対しては受付窓口にタブレットを置いたり、スマートフォンのアプリを導入することで通帳レスを推進してきました。

一方、法人のお客様に関しては取引先様のご都合もあるので、紙という柔軟なインタフェースを無くすことが困難でした。そのような状況でも、法人のお客様からの郵送やFAXでいただく書類作業をいかに効率化していくのかが課題でした。

「Tegaki」導入の背景と選定理由について

導入にあたり、他社のサービスと比較されたと伺っています。最終的に「Tegaki」を選定いただいた決め手について教えてください。

河本氏:インターネットでAI OCRサービスを調査していた際に「Tegaki」を見つけ、まずはトライアルをさせてもらいました。
AI OCRの認識精度はもちろんですが、お客様のイメージをデータ化するにあたり、そのイメージを削除することについてコントロールできることが利用規約で明確に謳われている点が良かったです。セキュリティの観点から、紀陽銀行への説明も問題ありませんでした。

また、弊社はもともとセゾン情報システムズ様とお付き合いがあり、ファイル転送ソフトのHULFTを活用しているのですが、DataSpiderと「Tegaki」の連携アダプタを使うと開発期間を大幅に短縮できることも、「Tegaki」を選んだ決め手の一つとなりました。

サービス提供における課題やその乗り越え方について

紀陽銀行様へのサービス提供にあたり、ぶつかった壁や困難、またそれをどのように乗り越えたかについて教えていただけますでしょうか?

須藤氏:一見同じに見えるカタカタの「カ」や漢字の「力」などの文字の認識に誤りがあると、その後、人間がチェックする時に、かえって判別しにくくなってしまうことが課題でした。解決にあたって、間違えやすい文字をハイライトして表示するなど、OCRされた後のUIの工夫をしました。

具体的にどのようにUIを工夫されたのでしょうか?

河本氏:画像の認識位置の定義に関して、切り出した部分から文字がはみ出るなど微妙にずれてしまうと、切り出した外の部分がわからなくなってしまいます。そこで、弊社側でユーザーが帳票のどこを見ているかをわかる機能を開発しました。
また、お客様によっては絶対に間違えていけない書類とそうでない書類があるので、確認作業のスピードを上げるために、確信度の設定をする開発も行いました。

実際の活用方法や導入効果について

紀陽銀行様において、「Tegaki」を活用したシステムをどのようにご活用いただいているかを教えてください。

須藤氏:ローンの事前申込審査業務で活用しています。各支店から届けられた申込書をデータ化し、「A2D」にアップロードしてもらいます。その後、データに誤りがないかを確認する際、二段階でチェックを行なっています。最後に、ローンの審査システムに取り込んでもらい、その後の審査へ流れる仕組みになっています。

紀陽銀行様における月々の処理枚数はどれくらいですか?

須藤氏:ローンの審査申込書だけで数百枚程度になります。今後はローンの申込書以外への展開も考えているので、さらに増えると思います。ローンの申込書は項目数も多いので、処理効率は非常に上がっています。

帳票の様式に対する工夫はしましたか?

須藤氏:既存の帳票を変えなくても、問題なく文字が認識できています。一方、帳票改定の際は、ユニバーサルデザインも意識し、記入する方が記入しやすいこと、またOCRも処理しやすいことの両方を意識して対応しています。

紀陽銀行様におけるサービスの導入効果、もしくは目標としている効果についてはいかでしょうか?

須藤氏:具体的な数値目標はなかったですが、従来の時間でより多くの処理をすることが目標でした。そこで人員を最適に配置し、業務を集約して行うことで、より少ない人数で審査業務を行うことができました。

サービス提供により、紀陽銀行様のエンドユーザーへの提供価値に変化はありましたか?

須藤氏:エンドユーザーに対する価値に関しては、おそらく良い意味でも悪い意味でも変わりませんでした。ただお客様に対して従来と同じ高いレベルのサービスを提供し続けながらも、審査業務における人員を削減できたことは大変良かったと思っています。

現在の運用の課題と今後に向けて

現在の運用の課題点などはありますか?

須藤氏:今回、弊社がSaaSサービスの提供が初めてだったので、今後もお客様が使い続けてくださるように、常にサービスを改善していくことが必要だと考えています。大手企業にはない形で、お客様に寄り添った対応ができればと思います。

「Tegaki」やCogent Labsに期待することはありますか?

須藤氏:エンジニアとしての意見ですが、AIの認識精度は他のサービスよりも圧倒的に優れていると思います。今後もコスト以上の価値を提供してくださると嬉しいです。

河本氏:弊社は今後、公共部門のお客様に対しても同様の取り組みを展開したいと考えています。そのため引き続き、新たな取り組みについての情報などを積極的に共有し合えればと思います。

本日は貴重なお時間ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

トッパン・フォームズ株式会社様(現 TOPPANエッジ株式会社様)

1955年5月に設立し、「情報」を核とする「インフォメーション領域」で強みを発揮し、従来の紙を中心とした製品・サービスと最先端のデジタル技術を掛け合わせることで、アナログとデジタルの双方向から提供可能な「デジタルハイブリッド企業」。資本金117億5,000万円、従業員数はグループで9,545名(2021年3月末時点)。

導入の背景
・オペレーターの方が紙の仕分け、内容のチェック、記載内容のデータ入力を行っており、そこでの業務の改善や効率化が課題。
導入の効果
データセンターにスキャン画像データを転送。構築したオンプレミス版AI OCRを含む入力用ワークフローシステムにて画像の識別。その後 OCR 処理の指示をかけて、ワークフローシステムの間に、OCR プラットフォームを構築。

明細書や配送伝票などのビジネスフォームの分野で培った経験を活かして、情報伝達における業務効率化に貢献するトッパン・フォームズ株式会社(以下、トッパンフォームズ)。このたび、ビジネスプロセスアウトソーシング(以下、BPO)事業において独自に開発した「手書き帳票AI OCR変換サービス」に、コージェントラボのAI OCRサービスのオンプレミス版である「Tegaki On-Premises」(※)をご活用いただきました。
トッパンフォームズの田村様、猪野様、および実際に製品を評価、開発された株式会社ジェイエスキューブ(以下、ジェイエスキューブ)の中井様にお話をお伺いしました。

※コージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。
Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。

トッパンフォームズについて

まずはじめに、トッパンフォームズについて紹介いただけますか?

田村様:当社はビジネスフォームの分野で培ってきた「情報」を安全かつ適切に行うインフォメーションハンドリングを強みとして、デジタルビジネス事業、インフォメーション・プロセス事業、プロダクトソリューション事業、そしてグローバル事業を手掛けています。

猪野様:従業員数は連結で9,500名程度おります。BPO部門では、パートやアルバイト、人材派遣の方など、センターで働かれている方が数千名おります。BPOセンターは、全国各地に拠点を構えており、入力専門センター、事務局のセンターなどがあります。

現在ご担当されている業務内容について教えてください。

トッパンフォームズ 猪野様

猪野様:バックオフィス業務の効率化のためのサービスを提供しています。ドキュメントの電子化、データ入力、コールセンター、データスクリーニング、不着処理、各種事務局において、扱う帳票の設計運用、保管、処理までのライフサイクルを紙と電子の両方で対応できる体制を整え、サポートを行っています。

導入背景について

「Tegaki On-Premises」導入前の課題や導入のきっかけを教えてください

猪野様:当社の専門処理を行うセンターでは、オペレーターの方が紙の仕分け、内容のチェック、記載内容のデータ入力を行っており、そこでの業務の改善や効率化が課題でした。

当社はもともと貴社と資本関係があったことから(※)、Tegakiやオンプレミス版の製品に関する情報は早くから知っておりました。特にセキュリティの面で、当社の環境内でデータ処理ができることが重要でした。当社では、自社環境内でお客様からお預かりしたデータを処理することが原則のため、オンプレミス版を導入する形になりました。

※トッパンフォームズ ニュースリリースはこちら

他の製品も検討していましたか?「Tegaki On-Premises」をお選びいただいた決め手について教えてください

猪野様:もちろん他社の製品も検討しました。オンプレミス版の製品の評価においては、お客様のパソコンで動作するものと、Tegakiのオンプレミス版のように(サーバで)多くの処理に対応できるものも含めて比較しました。検討事項としては、文字認識率、処理キャパシティ(一定時間にどれぐらいの処理ができるか)、処理速度がポイントでした。

中井様:具体的には、比較対象となる製品それぞれの文字認識率、機能性、システム要件、価格などの複数の観点で点数をつけ、総合点数で全製品を比較しました。各製品の強み・弱みについては、評価している各メンバーに補足ポイントを与え、点数に加点もしくは減点しました。結果として、総合点および文字認識率は「Tegaki」が1番でしたね。

運用について

「Tegaki On-Premises」をどのようにご活用いただいているか、工程を一つずつ教えてください

猪野様:まず運用する拠点でスキャニングし、データセンターに画像データを専用回線で転送します。その後、構築した「Tegaki On-Premises」を含む入力用ワークフローシステムに取り込み、画像の識別をします。その後にOCR処理の指示をかけて、ワークフローシステムの間に、OCRプラットフォームを我々が構築し、APIで処理を指示するための画像の分割などを行い「Tegaki On-Premises」に対して処理の指示をします。読み取り結果をOCRプラットフォームを介して返し、最後にCSVで出力してサイトに返します。CSVデータをお客様システムに取り込み、画面上で帳票の目視検査を行う流れになっています。

もう一つのデータ入力業務としては、OCR処理した後に入力センターで補正点検入力(ベリファイ)をできるようにしました。

OCRプラットフォームについては、今後の拡張性を考慮して作りました。

導入時にぶつかった困難やどう乗り越えたかについて教えてください。

猪野様:当社はファーストユーザーに近い立ち位置で導入を進めていたため、当社内部にも不安の声がありました。文字認識率はクラウド版での検証ができました。しかし、オンプレミス版はリリース前でしたので検証ができず、動作確認やスループットなどのシステム評価に関しては、(プロトタイプとしてあった)アプライアンス版をお借りして評価を行いました。実際にオンプレミス版を提供してもらって本番環境で検証するまでオンプレミス版のパフォーマンスはわからなかったので、貴社を信じるしかありませんでした。しかし、パフォーマンス含めて結果は想定通りだったので良かったです。

運用含め、何か工夫されていることがあれば教えてください。

ジェイエスキューブ 中井様

中井様:システム観点では文字認識率をどう上げるかの工夫をしました。帳票の決まった位置を切り出し、APIで呼び出して文字認識する流れですが、切り出す際に若干ずれていたり、ノイズがある可能性があります。呼び出すアプリケーション側としての事前調整には配慮しました。

特にイメージデータの品質の向上に工夫しました。検証する中で、文字認識率を高めるためには品質の良いイメージデータを投げられるかがポイントだと気付きました。スキャナーで画像処理をできる部分はそこで処理を行い、処理できない部分はアプリケーション側で行いました。試行錯誤を行った結果、かなり高い認識精度が得られるようになりました。

田村様:読み取りやすい帳票を提供することを目指しています。印刷会社なので、帳票の作成および印刷部分も含めてご提案できることが強みです。印刷から取り込みまでやって欲しいというお客様も多いので、帳票の入口から出口まで取り組んでいきたいと思います。

現在の利用状況を教えてください。

猪野様:主に口座振替依頼書等であり、(内容としては)金融機関の口座番号等を読み取ってます。月に数万枚程度を処理しています。

導入効果について

導入後の効果や率直なご感想をお聞かせください。

猪野様:まず想定通りのパフォーマンスが出ました。文字認識結果は項目単位で98.5%になっております。
導入当初に掲げた目標数値は、開発途中で評価していたこともありますが、導入後3ヶ月で達成できました。効果も予想通りでした。

なお導入時に必要となるドキュメントについては、今後の改善を期待したいです。

「Tegaki On-Premises」導入により、エンドユーザーへの提供価値に変化はありましたか?

猪野様:エンドユーザーの方からは、AI OCRの導入による業務改善とその成果、さらに先進的な取り組みを評価していただきました。今後、お客様の他業務への展開も見込めるようになりました。

運用における課題について

運用における課題や要望があれば教えてください。

中井様:読取設定を行うツール「Tegaki Editor」がクラウド版にはあるものの、オンプレミス版には無かったことですね。やはりオンプレミス版にもあった方がシステムに詳しくないお客様の現場でも簡単に対応ができますし、定義の時に利用する未記入の帳票についてもクラウドに出せないケースもありますので。

欲しい機能、ということでは具体的な話になりますが、読み取り結果の上位候補を複数表示する機能が欲しいと思いました。誤りを修正する際、候補の中から選べるとよりスムーズな業務に繋がります。また、(Tegaki Consoleにありますが)確信度ごとに色分けする機能があったり、認識の自信がない文字には不読文字を出したりハイライト機能があるとさらに良いと思います。

今でも十分速いですが、処理速度はさらなる進化を期待したいですね。その他、マスター情報やその他の情報を組み合わせてさらに認識精度が向上できると良いと思います。

今後について

「Tegaki」やコージェントラボに期待することを教えてください。

中井様:最終的には、AI OCRの認識精度が人間のレベルにどこまで近づけられるかだと思います。現在のAI OCRでは、文字を認識した上で関連情報を踏まえて読み取るのが難しいので、将来は帳票上の多角的な情報を読み取り、最適な認識結果を出せることを期待したいです。

猪野様:やはり、AI OCRの一般的な期待値と異なり、文脈から読み取ることが厳しいと思うので、この点が改善できると良いと思います。人間が間違えるところだけ同じように間違える、というふうになってほしいですね。

田村様:やはり認識結果ですね。日本人なりの文字や数字の書き方もあるので、そうした癖を認識に反映できたらさらに良いと思います。最後は人が見ますが、特に数字に関しては限りなく認識率100%に近い方がいいですね。確信度が100%になれば、そこは必ず見ないというふうにしたいです。

トランスコスモス株式会社様

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界大手の東証一部企業。企業の業務効率化とコスト最適化を支援するBPOサービスおよびコンタクトセンターサービスに加え、デジタルマーケティングサービスとECワンストップサービスを提供する。1985年設立、グループ全体の従業員数は61,773名(2020年9月時点)。

導入の背景
・同社が提供する統合受注サービス「QOSIS(クオシス)」の注文データの入力部分において、注文書の手入力の業務生産性に課題を感じていた
導入の効果
・AI OCRを統合受注サービスの「QOSIS」に組み入れたことで、注文入力の生産性が向上
・導入先の大手食品メーカーA社において32%の業務効率化を実現
・データ納品までの時間短縮などを通じ「QOSIS」のサービス全体の品質が向上した

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界のリーディングカンパニーであるトランスコスモス株式会社。現在、主にメーカーにおける受発注業務を注文受付からデータ納品まで受け持つBPOサービス「QOSIS(クオシス)」の一部において、データ入力を効率化するソリューションとして、AI OCRサービス「Tegaki」(※)をご活用いただいています。

今回は「QOSIS」製品担当のトランスコスモス株式会社 小幡様に「QOSIS」の概要や「Tegaki」の導入背景などについてお伺いしました。

※コージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。
Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。

BPO業界のリーディングカンパニーが提供する、統合受注サービス「QOSIS」

–まずはじめに、統合受注サービス「QOSIS」についてご紹介していただけますでしょうか。

トランスコスモス株式会社 小幡様

「QOSIS」は、受注処理プロセスを標準化し運用とコストの最適化を実現する、主にメーカー様に向けたBPOサービスです。「QOSIS」導入企業様の取引先からメールやFAXで届く注文をデータ化し、お客様のシステムにデータを連携/納品するところまで、ワンストップでサービスを提供しています。

これまでは、お客様ごとに業務体制をカスタマイズして構築するBPOサービスをメインに提供しておりましたが、現在提供している統合受注サービス「QOSIS」では、弊社が持つメーカー様向けのオペレーションのノウハウをパッケージとして標準化し、複数のお客様が活用できる体制とシステムを用意することで、お客様のさらなる業務効率化とコスト最適化を実現することが可能です。

–現在、どのような業務を担当されていますか?

団体全体の法人運営を行う事務局に在籍しています。その中で、ICTを活用して組織の中の仕組みを作っていったり、3〜4名のチームで日々の社内システムの運用をしたりといったことを行っています。社内システムとしては、2017年時点では共通インフラなどはなく、Excelで管理するといったような状況でした。3年ほどかけて、業務システムはほとんどクラウドに移行していきました。

–「QOSIS」において、どういった部分で「Tegaki」をご活用いただいていますか?

「QOSIS」は、上記のような流れで注文処理を行います。

まず「QOSIS」導入企業様の取引先からFAX経由で注文を受信した後、注文書をフォーマットごとに振り分けます。そのあと注文内容のデータ入力を行います。この工程で「Tegaki」を活用しています。
入力が終わった後は内容に間違いがないかを入念に検査し、データを変換してシステムに送信します。

–注文書をはじめとした紙帳票にまつわる業務の効率化において、AI OCRを自社で導入・運用し、効果を発揮されている企業様も多くいらっしゃるかと思います。自社導入ではなく、「QOSIS」のようなAI OCRを組み込んだBPOサービスを導入するメリットや強みについて教えてください。

「Tegaki」では、帳票を読み込むと帳票が画面全体で表示されます。またAI-OCRで読み取ったテキストは、上記のように読み取る対象のテキストのすぐ上に表示されるため、目検する際にとても迅速に行え、時間短縮につながっています。

一番のメリットは、AI OCRを含めたシステム全体の運用保守を弊社側で管理することで、導入企業様の運用コストを大幅に削減できるという点です。
帳票の読み取り箇所を設定するテンプレートの作成やOCR処理をかける帳票フォーマットの振り分け、読み取り箇所の微調整などを通じた定期的な読み取り精度のチューニングなど、AI OCRの運用に係る工程を全て弊社側で管理しておりますので、導入企業様は運用に必要な人員、場所、システムを所有いただく必要がありません。

「Tegaki」導入の背景と選定理由

–「Tegaki」の導入の背景について教えてください

以前はFAXから来る注文内容を全てスタッフが手入力していたのですが、どれだけスタッフの育成に取り組んでも、手入力の生産性には限界があると感じていました。
そこで、「QOSIS」を担当する事業部門でデータ入力業務の生産性向上を実現するためのシステム導入の検討を開始し、もっとも有力なソリューションとしてAI OCRにたどり着きました。

–数あるAI OCRサービスの中から、なぜ「Tegaki」を選定いただいたのでしょうか?

いくつかのサービスがある中で、はじめにたどり着いた「Tegaki」を試しに使ってみたところ、帳票の読み取り箇所を設定する「Tegaki Editor」の使い勝手が非常によいことに加え、安定した文字の読取精度から高いコストパフォーマンスを期待できたため、「Tegaki」の選定に至りました。

製品評価フェーズから導入まで

–「Tegaki」の検証から導入に至るまでの流れを教えてください

2018年12月にプロジェクト始動したのちに「Tegaki」に出会い、2019年1月から本格的な製品評価を開始しました。同年4月には製品評価を終え、5月からはファーストユーザー様への導入フェーズに移行しました。

製品評価では、約7000種類の帳票フォーマットで検証を行い、時間帯ごとの処理スピードや「Tegaki Editor」の細かな操作方法など、実際のオペレーションの中で起こりうる課題抽出を徹底的に行いました。
この検証フェーズで深く製品評価を行えたことが、プロジェクト全体がスムーズに進んだ最大の要因だったと思います。

–導入までにぶつかった困難、そしてその困難をどう乗り越えたかについて教えてください

「QOSIS」は導入企業様の取引先データを取り扱うサービスですので、これまではインターネット回線を使わずに閉域ネットワーク内でデータ処理を行い、専用線を通じてお客様へのデータ納品を行なっていました。

そのため、「Tegaki」をクラウド上で活用するのにはハードルがありました。しかし、検証を重ねた結果、OCR処理する注文書のデータのみを「Tegaki」連携用のサーバーにプールし、そこからAPI経由で「Tegaki」にデータを流してOCR処理を行うという仕組みを構築するに至りました。これにより、「QOSIS」のサービス全般の処理自体は閉域のまま、OCR処理部分に限定してクラウドを活用することができました。

大手食品メーカーにおける受発注業務を32%効率化

–「QOSIS」の導入先のなかで、「Tegaki」を活用しているお客様における導入効果について教えてください

「QOSIS」をご導入いただいている大手食品メーカーA社様では、受発注業務における月間約2.6万枚の注文書の読み取りに「Tegaki」を活用し、32%の工数削減を実現されています。

–メーカー業界における、AI OCRに対する反応や関心はいかですか?

現在メーカー業界では、ドライバーの方々の働き方改革や事故防止などの取り組みが推進されています。そのため、商品を送り届けるまでの時間を物流面から短縮することは難しく、物流面以外のオペレーションをいかに効率化できるかが重要であると伺っています。そういった背景もあり、注文データの納品までの時間短縮をサポートするAI OCRの活用のニーズは、近年さらに高まってきていると感じます。

今後について

–最後に、今後のご活用展望について教えてください

現在は、「Tegaki」で読み取ったデータ全てに対して目検チェックを行なっていますが、今後はそういったチェックを自動化したり、全ての帳票の1次入力をOCR処理に移行することなどを計画しています。そのような施策を通じ、具体的な数値目標として50%の工数削減の実現を目指しています。

「Tegaki」の活用範囲の拡大がさらなる業務効率化の実現に繋がると考えておりますので、最大限「Tegaki」を活用できるよう今後も努めて参りたいと思います。

–さらなるサービス向上に向け、今後も密に連携できればと思います。本日はありがとうございました。