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  • FAX受注の登録業務にAI OCRを活用。登録ミスの大幅削減や業務の平準化だけでなくテレワークにも対応可能に
日本化学産業様

FAX受注の登録業務にAI OCRを活用。登録ミスの大幅削減や業務の平準化だけでなくテレワークにも対応可能に

日本化学産業株式会社様

1924年創業で、無機・有機金属薬品を中心とする薬品事業と、金属加工製品を中心とする建材事業の2つの事業を柱をもつ日本化学産業株式会社。「企業は公器」との理念に基づき、透明性、信頼性の高い企業運営を図って「株主」「取引先」「社員」「地域社会」の期待に応え、共に発展していくことを経営の基本方針としている。資本金10億3,400万円、従業員は連結443名(2022年3月現在)

導入の背景
・紙で受領した注文を手入力でデータ化しており、大きな業務負担に ・受注の約7割がFAXによる注文 ・入力ミスが散見され、受注処理業務に時間を費やす
導入の効果
・受注登録ミスが大幅に削減 ・業務の属人化が解消され、平準化に成功 ・テレワークや他拠点での作業にも対応可能に

「金属と共存し、未来をひらく」をスローガンに掲げ、薬品と建材の2つの事業分野において、絶え間なく最先端の技術と独創的な展開を追求している日本化学産業株式会社(以下、日本化学産業)。
同社では日々受け取るFAX注文の処理業務における負荷が課題となっており、その解決策としてコージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」(※)をご採用いただきました。
ご利用頂いている建材本部の執行役員建材本部長の菅原氏と管理本部の金澤氏にお話を伺いました。

※Cogent LabsのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。
Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。

日本化学産業について

まずはじめに、日本化学産業様について教えてください

日本化学産業株式会社 青柳工場(埼玉県草加市)

菅原氏:
当社は、薬品事業と建材事業を営んでおります。薬品事業では、二次電池用正極材料をはじめとするIT関連製品や環境負荷低減薬品を販売しています。一方で建材事業においては、ロールフォーミング技術を活かした防火通気見切縁などの住宅建材を提供しております。当社の優位性かつ独自技術を活かして、新製品の開発、新しいモノづくりに挑戦しています。

現在、お二人が担当されている業務内容について教えてください

菅原氏:
現在、私は執行役員建材本部長を務めております。

金澤氏:
管理本部情報システム室に在籍し、主に建材本部システム関係全般の運用保守を担当しています。

AI OCR導入の背景について

「Tegaki」を導入された背景について教えてください

菅原氏:
受注登録業務における運用フローの変革を目指したことがきっかけです。

当社では、受注数の7割程度がFAX受注によるもので、毎月1,500枚の注文書を処理しています。営業事務やパートの方がFAXで受けた注文を販売管理システムに手入力をしていたのですが、工数が多く、時間がかかる作業であり、属人化しているという課題もありました。そこで注文書のデータ化業務を特定の人に依存せずに自動化することで、各人員の工数や業務負担の軽減を目指しました。

実は過去にOCRの導入を検討したことがあるのですが、当時は認識精度があまり高くなかったことから導入を見送ったという経緯があります。しかし最近ではAI OCRが登場し、認識精度が向上していることを耳にしたため、再び導入の検討に至りました。

検討から導入まで

どのようにして「Tegaki」について知りましたか?

金澤氏:
AI OCRをインターネットで調べている際に見つけました。

他の製品も検討しましたか?「Tegaki」を最終的に選んだ決め手があれば教えてください

金澤氏:
はい、他社製品についても検討しました。正直なところ、製品の性能はほとんど同じだったのですが、「Tegaki」の方が複数の料金プランの中から使用量に応じた適切なプランを選べ、より当社に合わせた運用が可能だと考えたため、最終的に採用を決めました。

運用について

運用にあたって直面した課題、そしてそれをどのように乗り越えましたか?

菅原氏:
FAXの解像度が原因で認識精度が想定よりも低い点や、お客様から届く注文書のフォーマットがバラバラな点で苦労することがありました。

FAXで注文を受ける場合、どうしても文字が滲んだり潰れてしまい文字の認識精度が下がってしまいます。そのため、FAX機の選定から見直すなど試行錯誤を繰り返しました。FAX機から注文書を紙で排出するのではなく、FAX機の中でそのままデータ化(PDFに変換)してから「Tegaki」に読み込ませることで、可能な限り文字の認識精度を上げるように工夫しました。

一方でフォーマットの問題に関しては、多くの企業の注文にはすぐさま対応できないと判断したため、まずは受注件数が多い1社に絞ってOCR処理を行い、スモールスタートという形で対応しています。

具体的に「Tegaki」をどのように活用していますか、工程を一つずつ教えてください

菅原氏:
現在、このような工程で「Tegaki」を活用しています。

①FAXで受信した受注票をFAX機内でPDFにする。
②担当者がPDFファイルを操作して「Tegaki」へ取り込み、OCR処理を行う。
③担当者が「Tegaki」の画面で読み取り結果を確認し、必要に応じて修正する。
④読み取り結果をCSVファイルでダウンロードし、所定のフォルダへ保存。
⑤RPA(WinActor(R))を利用して、所定のフォルダから自社の販売管理システムへ自動入力。
  ※WinActorはNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。


その他の面で、工夫をしていることはありますか?

菅原氏:
「Tegaki」が読み取った後の確認や修正に関しては、社内にてマニュアルを作成し、担当者の方に作業を実施してもらうことで、業務の平準化を図っています。

現場のベテランの方にはOCR処理するよりもデータを手入力した方が速いと言う方もいるのですが、そこは説得しながら「Tegaki」を使ってもらうようにしました。

月々の処理枚数について教えてください

金澤氏:
現状、1社から受ける注文書のみの運用のため、1ヶ月で500枚程度となっています。現在の想定としては1,500枚程度なので、これから改善できればと考えております。

これまでの導入効果、もしくは目標としている効果について教えてください

金澤氏:
導入効果としては、①受注登録のエラー件数の削減、②業務の標準化、③他業務のワークフローのスピードアップ、④テレワークの実現、に成功できました。

以前では手作業によるデータエントリーおよび目視での確認・修正をしていましたが、「Tegaki」導入後では、読み取り結果の画面を見て確認や修正をすれば良いので、受注登録のミスを大幅に減らすことができ、属人化が解消されたことで業務の標準化にも成功しました。

また、社内の伝達も電子データにて実施されるようになったので、他のワークフローのスピードアップや場所を問わない効率的な作業(在宅勤務や他拠点での対応等)も実現することができました。

一方で、受信した注文書の中からOCR対象のファイルを手作業によって選別しているため、1件あたりの受注作業は10分から15分へと増加してしまいましたが、会社全体で考えるとそれ以上の導入効果があったと実感できています。

この点は、「Tegaki」の後継製品である「SmartRead」を活用してさらに改善していきたいと考えています。

※次世代AI OCR「SmarRead」は仕分け機能を提供しております。
異なるレイアウトのテンプレートを事前に登録しておくことで、入力されたファイルを自動で振り分けることができます。このため、人によって文書を仕分ける作業を省略でき、さらなる業務効率化が実現します。

現在の運用における課題があれば教えてください

金澤氏:
やはり、種類が無数にある注文書のフォーマットを全て「Tegaki」で読み取って効率化することが難しい点ですね。

お客様から届くフォーマットの種類が非常に多いため、全てを「Tegaki」で対応させようとすると、大量のテンプレートを作成しなければなりません。テンプレート毎によって、項目数も異なるため、RPAとの連携も難しくなってしまいます。

正直なところ、当初掲げていた目標にはまだ届いていないので、今後改善を続けていければと思っています。

今後について

今後のご活用の展望はありますか?Cogent Labsに期待することもふくめて教えてください

金澤氏:
こんな機能があったら良いなという話にはなりますが、登録した名称に近い単語があった場合、自動でその単語に補正するような機能や、複数ページある帳票を分割できる機能、また頻繁に使うテンプレートをお気に入り登録できる機能があると良いなと感じました。

現在でも運用における課題はありますが、「Tegaki」の後継製品である「SmartRead」であれば、仕分け機能やWinActorとの連携部品により、改善できる点があると感じましたので、「SmartRead」を活用して、適用範囲を拡大させながら、業務効率化を進めて行きたいと考えています。

今後はFAXから受注した全ての注文書に対して、AI OCRとRPAを連携することで、確認修正作業を除くフローを自動化できればと考えています。

今後ともよろしくお願いいたします。


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